狼と香辛料

狼と香辛料 (電撃文庫)

狼と香辛料 (電撃文庫)

色々な場所での書評がとてもよかったので購入。
期待通りの作品だった。


主人公ロレンスと賢狼ホロのやり取りがよい味を出しており、飽きや中だるみというものを感じさせない。
ページ数から考えると長い作品であるのにもかかわらず、その長さを感じず、さらに読みたくなるというなんとも不思議な作品である。


注目すべきは、狼娘(とあえて呼ばせていただく)ホロの存在感である。なんといってもずば抜けているのである。無理に文章から感じるのではなく、自然に感じるのである。芝居がかった言葉もホロにかかれば何のことはない。


得てしてこのような作品の場合、ホロの性格付けによって作品の方向性が大きく変わったり、書評なども大きく変わるのだが、この作品はホロの性格付けがとてもよく、いい味を出しているといえる。

また、まったく違った視点ー経済的な思考を繰り広げるロレンスもなかなか面白く、それだけでも読めるような気がする。